ソフトバンクの iPad mini は蜜の味?

HARDWARE REPORT


iPad の価格引き上げとソフトバンクの据置価格

おそらく円安の影響で 2013 年 5 月 31 日に iPad の価格が大幅に引き上げられたのは記憶に新しいところですが、そんな折の 6 月 10 日深夜に iOS 7 が発表されました。

iOS 7 では、フラットデザインとも呼べる全く新しいデザインが搭載される見通しで、これは以前に iPhone 5 が新たに 4 インチディスプレイが搭載されたときのように、アプリを制作する側にとっては大幅なデザイン調整を余儀なくされる予感がします。

 

さて、前置きは長くなりますが、まずは発端のお話から。

アプリ検証用のデバイスの確保へ

iOS と言えば、いったんバージョンアップをすると以前のバージョンには戻せないというのが通説です。

Apple 製品は新 OS が出ると直ぐに新しい OS での出荷に切り替わることから、両方の環境でアプリの動作検証を行うためには、iOS 7 のリリースが予定されている秋までに環境を揃えなくてはいけません。

 

iPhone, iPod touch

iPhone や iPod touch については、iOS 7 がインストールできる環境は iPhone 4 以上、iPod touch 5th 以上とのこと。

3.5 インチディスプレイ環境については幸い iPhone 4 と iPhone 4S があるので、どちらかを iOS 6 のまま残しておけば大丈夫そうです。

4 インチディスプレイ環境は、きっと次の iPhone 5S が iOS 7 よりもわずかに後に登場(入手)できると想定すると、メインで使っている iPhone 5 が必然的に iOS 7 になる予感がします。

 

そうなると、iOS 6 の 4 インチデバイスが欲しいところだったので、iOS 7 が出ないうちに を購入しておくことにしました。

ちなみに自分は「イエロー」がいいなと思って買ったんですけど、後で聞くと、中ではいちばん人気のない色みたいですね。 でもそれが反映されているのか、イエローがいちばん安く買えたりすることもある感じでした。

 

iPad, iPad mini

iPad については、デバイスによって Retina であるかの違いはあるにせよ、iPad mini も含めた全シリーズで、ディスプレイのサイズは同じです。

ただ、iOS 6 と 7 では標準ボタンなどのサイズも微妙に違ってくるようで、これだけデザインが違うとなると、実際の検証機としても iOS 6 と 7 のそれぞれの iPad が欲しくなってきます。

 

手元にある iPad は iPad 1 と で、iOS 7 は残念ながら iPad 1 には非対応です。

幸いかどうか、iPad と iPad mini は完全互換が売りなので、本体サイズが違うだけで、ソフトウェアの面ではきっと同じ仕様です。それなら iPad mini を購入して、iPad with Retina 4th かどちらかを iOS 7 にすれば、何かと検証に都合がいいかもしれません。

 

そんな理由で、これを機に iPad mini の購入を検討してみることにしました。

自作アプリの検証ができれば十分なので、容量が 16GB の Wi-Fi 専用モデルを狙ってみます。

iPad mini の据え置き価格

先日の値上げで、 の 16GB, Wi-Fi モデルは、Apple 公式価格で 28,800 円から 32,800 円になっています。

少しでも安く買えないものかと、オークションや を眺めてみましたが、新価格とほとんど同じか少し安い程度の値段でした。

 

ソフトバンクの値段表では、据え置き価格

そんな中、ふとソフトバンクの Web サイトを眺めてみると、そこ には懐かしい価格表が掲載されていたのでした。

下に引用する料金表は、2013 年 6 月 19 日時点でのものです。

 

明らかに、先日の値上げ前の料金ですね。

Apple が値上げを発表した少なくとも翌日から iPad を取り扱う店舗が軒並み値上げをする中、価格にとても敏感そうなソフトバンクが何故かお値段据え置きです。

 

値段表に間違いはない様子

値段表の更新を忘れているんじゃないかと思って ソフトバンク長津田店 に電話で問い合わせてみたのですけど、値段はそれで間違いないとのこと。

16GB Wi-Fi モデルの在庫は今はないとのことでしたが、予約票を出すために来店して欲しいとのことでした。

 

きっと、明日に急に値段が上がる可能性も十分あるでしょうから、急いでソフトバンクショップへと向かうことにしました。

 

ソフトバンクでの予約の期待と不安

ソフトバンク長津田店に到着して iPad mini 予約の旨を伝えると、目の前に値段表が登場しました。

先ほど電話で伺った通りに据え置き価格だったので、さっそく簡単な注文票に記載です。

何故か求められる本人確認

用紙としては名前と入荷時の連絡先電話番号を書くだけの簡単なものだったのですけど、そういえば何故か、本人確認できる何かを求められました。

自分自身がそのとき、単なる商品の予約なのに iPhone の契約のときのような流れを勘違いしてイメージしていて、つい免許証を提示したのですけど、そういえば名刺とかでも良いようなことを言っていたような気がしましたけど、自分の思い込みのせいであまり記憶に残っていません。

 

いずれにしても、本人確認って必要だったのかなって、今になって思いました。

いや、普通に考えれば、もしかすると別に必須ではなかったのかもしれませんが、わかりません。

納期と価格

予約自体はサクッと進み、数分程のあっという間に予約票を受け取ることができました。

普段だったらこれで終わって気分が躍るところですけど、今回の場合はまだまだ安心できない疑問点が予約票には残されていました。

 

お客さま情報には生年月日が

さすが本人確認をしただけあってか、予約票のお客さま情報のところには生年月日も記されていました。

iPad mini の Wi-Fi を予約する上で生年月日の必要性ってなんだろうと思いつつ、まあもともと携帯回線の販売店なのでそういう予約票の仕組みになっているだけかもしれません。

 

値段と納期は未定

そして、今回いちばん気になったのが、予約票には「値段」が記されていないところ。

製品については「受付番号」「メーカー」「商品名」「カラー」「個数」が記されているのみで、値段や納期といったことは何も記されていませんでした。

 

入荷され次第連絡するとのことだったので、とりあえず納期がどれくらいかを尋ねてみると、今の感じは通常はだいたい 1 か月くらいかかるとのことでした。

1 か月もかかるとすれば、ともすると Apple の公式価格が反映されても不思議ではない頃合いです。

そこで「先月末に Apple が公式価格を値上げしたが、今日から入荷されるまでの間に貴社も値上げに踏み切った場合はどうなるか」を聞いてみたところ、次のような返答が帰ってきました。

 

「今のところ値上げするという話はないが、値上げされた後に入荷した場合は値上げ後の価格での販売になる」

 

購入日の価格が販売価格…?

たしかにそれで何も間違っていないのでしょうけれど、値段も考慮した上で足を運んで、在庫がないから注文している訳で、感覚的にどこか違うような気もします。

値段表がある、商品として取り扱っている、ただ店舗に在庫がないだけ。

それでもお店としては、予約は(客側の意思で)発注をかけることが目的であって、予約の時点で値段がいくらだったかとかは関係がないのだそうでした。

 

理由の付け方はお互いそれぞれですけれど、買う側としてはどことなく、売る側が努力を省略しているようにも感じます。

お店の人は「iPad mini は人気機種なので(在庫がない)」と言ってましたし、Web ページ上でも 2013 年 6 月 19 日時点で「ご希望の商品を同日お持ち帰りいただけます(在庫がない場合はご予約をいただき、後日お渡しします)」と記されているので、印象的にはその日に購入できる準備がされていることにはなっているのでしょう。

 

さてさて、ソフトバンクが値上げに踏み切る前に予約した iPad mini が入荷してくれるのか、不安は募るばかりです。

お店の人に「値段も含めて検討して予約しているが、値上がりしたらキャンセルできるか」聞いてみたところ「手数料とかも発生せずにキャンセルできるから大丈夫」とのことでしたので、まあ、安心…ですね。

 

願いは表示価格で買えること

たしかに入荷日が販売価格な仕組みになっているなら、確かに Apple と合わせて即時に値上げをしたりしたら、Apple が値上げする前に予約注文した人たちからの大反発は必至でしょう。

値上げの正当性を主張するのも難しいでしょうから、今のところの据え置き価格は必至なのかもしれません。

 

ただ 1 か月後はどうなるかです。

例えばもし今月末に値上げを敢行されたとして、自分のように Apple 公式値上げ後に注文した人たちが新価格での購入となればまた声も上がるかもしれません。

それでもそんな声はきっとすぐに消えてしまうことでしょうけれどね。

 

「今のところ値上げの予定はない」

 

それはさておき、あとはただ、お店で注文をした時点での価格で購入できることを祈るばかりです。

そして自分と同じように、ソフトバンクのお店で据え置き価格を見て予約した人が、その注文時の据え置き価格で iPad を手に入れることができますように。

 

そして値段引上げへ

そして、月が巡った 2013 年 7 月 1 日、ソフトバンクでも iPad mini が値上がりになりました。

 

値段としては Apple が発表した公式価格と同じですね。

そしてこれで、これまで旧価格を見て予約した人も、今日以降の入荷分からは新価格での購入が確定したということでしょうか。

入荷を待っても同じ値段なら、Apple Store なら同じ値段で 24 時間以内に出荷となっていますし、少なくとも値段据え置きを見て注文した人にとっては、このままソフトバンクでの入荷を待って購入するメリットはないかもしれません。

そして個人的には、よく考えると、iPad 1 は iOS 5 までで、iPad 2 以降は全て iOS 7 に対応することを考えると、今ここで iOS 6 を残すためのデバイスを用意する必要もないかなとも思えてきました。

 

予約時の価格が販売価格…?

そんなことを思いつつ、念のため ソフトバンク長津田店 に電話で確認をとってみました。

すると、なんと予約時の価格にて提供できるとのことでした。先日の窓口で尋ねたときは担当者が想像で話をしたのでしょうか、それとも実際に値上げが決まって方針が決まったのでしょうか。

これまでの経験的なのか、ソフトバンクショップはころころと意見が変わる印象があって不安が拭えなかったので、つまりいくらかに話を進めようとしたところ、容量を 16GB と伝えたところで「28,800 円での提供になる」と向こうから確かな金額を口にしました。

 

それを聞いてもまだ安心できないあたり、困ったところですけれど、とりあえずは値上げ前の価格で手に入るつもりで入荷を待ってみることにします。

ただ、あと数か月ほどで登場するかもしれない新型を待ってもいいのかなとも、思えてきたりもしてきました。

 

そしてついに iPad mini 入荷

それから 1 か月後の 8 月 2 日、ソフトバンク長津田店 から iPad mini が入荷したとの連絡が入りました。

無駄足にならないように念のため値段を確認してみると、迷うことなく、予約時の値段、つまり値上げ前の価格で購入できるとのことでした。

そこでさっそくお店に訪れてみると、お店の中から出されてきた紙には赤ペンで「値上げ前の予約」と書かれていました。

 

ちゃんと値上げ前の値段で販売しようとしていたようで、なんだかすべては杞憂に終わった感じですね。

無事に値上げ前の 28,800 円で iPad mini を購入することができました。今更こんな報告をしたところで、誰かが得することも、もはやないのですけれどね。

しかし、最初の予約の時に「値上がりしてからの入荷なら値上げ後の価格」という話をされましたけど、それを聞いてやめていたら、それこそ機会を失っていたところでした。

そんなこんなで、良かったのか良くなかったのか、とりあえずそんな幕引きでした。