iPhone で Wedge Mobile Keyboard を使ってみる

HARDWARE REPORT


Microsoft Wedge Mobile Keyboard for Business

iPhone でメールをするのを大変そうにしている人が居たので、Bluetooth キーボードなら接続できるというお話をしてみたところ「欲しい!」という運びになりました。

最終的に というキーボードに行き着きましたけど、今回はどんな風に選んでみたかも含めて、その使い勝手などお話ししてみたいと思います。

 

購入候補に挙がったキーボード

今回は持ち歩きは考慮していなくて、メールを楽に打ちたいから「大き目のキーボードが良い」とのことだったので、最初に選んでみたのは というキーボードでした。

このキーボードはデスクトップ向けのフルサイズキーボードで、右側にはテンキーもあります。

サイズは完全に標準キーボード

サイズで言うと、幅 44.9 cm × 奥行 12.3cm × 高さ 2.5 cm なので、普通のパソコンでお馴染みの普通のキーボードサイズです。

あるキーの左端から隣のキーの左端までの距離を示すキーピッチも標準的な 19mm なので、これなら間違って隣のキーに触れてしまう心配も少なく、普通のキーボードとほとんど同じ感覚で打てそうです。

 

それに Bluetooth 3.0 は省電力らしいので、このキーボードが良さそうかなと思ったのですけど、似た大きさのキーボードを見せてみたところ、このサイズだとやっぱり大きい印象のようでした。

 

コンパクトなキーボードを探してみると

フルサイズキーボードが大きいとなると、コンパクトサイズのキーボードということになりますけど、幸い Bluetooth キーボードはコンパクトサイズの方が強いので、選択肢が急に広がります。

そうなると、個人的にはマイクロソフト社のハードウェアの出来がけっこう気に入っているので、まずはマイクロソフトが出しているキーボードを見てみることにしました。

気になったのはマイクロソフト社のキーボード

するとさっそく、目を惹くキーボードが見つかりました。

というキーボードなんですけど、この製品、一般向けの という製品の法人向け簡易包装パッケージという位置づけみたいです。価格も一般向けに比べて少し安くなっています。

 

そして、機能面で気になったのは次の辺りです。

  • マイクロソフト社の製品であること。
  • デザインがとても美しいこと。
  • 縁がない分、全体のサイズの割にキーが大きいこと。
  • カバーが iPhone, iPad mini, iPad を立てるスタンドになること。
  • キーピッチが 17.5 mm であること。
  • キー配列が日本語であること。
    ただしこれは iPhone で使う上では欠点になりそうなポイントです。

ちなみにこちらのサイズは、幅 25.7 cm × 奥行 10.1cm × 高さ 2.1 cm と細長い感じのコンパクトサイズです。

キーピッチが 17.5 mm であること

せっかく持ち歩かずに使いたい様子なので、打ち心地が気になるところです。

標準的な大きさのキーボードは隣のキーが 19 mm 離れて配置されているのですけど、この Microsoft Wedge Mobile Keyboard は 17.5 mm と少し狭くなっています。

 

そんなところが僅かに気にはなるものの、コンパクトサイズのキーボードにしては広めと思うので、これはきっと慣れればあまり気にならないんじゃないかと思います。

キー配列が日本語であること

これが最大の心配どころでした。

マイクロソフト社のキーボードと言えば、標準認識は英語配列で、IntelliType というソフトウェアで日本語配列に変換している印象があります。

日本語配列と英語配列とでは、アルファベットは変わらないのですけど、記号部分がずいぶん違うキーになるので、このキーボードが iPhone で英語配列として認識されてしまうと、記号入力で苦労を迫られるかもしれません。

 

その辺りについて詳しく調べてみると、なにやらマイクロソフト社のキーボードに限らず、iPhone では Bluetooth キーボードを英語配列として認識してしまうという噂もちらほら見つかりました。

おおよそ、英語配列のキーボードとして認識されると思ってよさそうだったので、そのことをキーボードを使いたがっていた人に確認したところ、それでも「記号は滅多に入力しないから大丈夫」とのこと。

そんなことを言うのもどうやらデザインがとても気に入ったというのが本音の部分にあるようです。

 

Microsoft Wedge Mobile Keyboard を購入しました

キー配列という心配事はあるにしても、それを吹き飛ばすほど気に入ったようだったので、今回はこの Microsoft Wedge Mobile Keyboard を購入することにしました。

製品の印象

そして届いたキーボードは、やっぱり品の良い感じです。

縁が銀色に輝いていて、背面はアルミのサラサラ調、なんだか iPhone 5 のホワイト&シルバーを思わせる仕上がりです。

大きさも iPod touch 5th と比べて、威圧感のないちょうどいい具合のサイズな気がします。

 

iPad 4 と比べるとこんな大きさです。

 

カバーはスタンドとしても活用できる

この Microsoft Wedge Mobile Keyboard のカバーは半分のところで折り曲げられるようになっていて、それを iPhone や iPad のスタンドとして使えるようになっています。

iPhone 5
iPod touch 5th
iPad mini
iPad 4 縦
iPad 4 横

iPhone だけでなく iPad mini や iPad まで立てられるのが嬉しいですね。

カバーの裏側は滑りにくくなっているので、iPhone でもカバーを大きく開いて内側に立て掛ければ立てる角度を微調整できます。

 

そしてさらに嬉しいのは、キーボードのケースがシンプルな作りであるため、iPhone などの本体に好きなケースを付けていても立てられるところです。

自分の iPad 4 なんて、蓋付きのけっこうしっかりした厚みがあるケースを使っているんですけど、それでも何も問題なく立てることができました。

 

iPhone 5 とペアリング

それではさっそく iPhone 5 で使えるようにペアリングしてみます。

Microsoft Wedge Mobile Keyboard に電池を入れると、キーボードの表面にある LED が赤と緑に点滅して、ペアリング待機の状態になります。

ペアリングしたいのに点滅状態になっていない場合は、キーボードの裏面、電池を入れるところと反対にある Bluetooth マークのボタンを長押しします。

 

キーボードの LED が点滅し出したら、iPhone の「設定」を開いて「Bluetooth」を選択すると、Microsoft Wedge Mobile Keyboard が認識されました。

接続状態の説明が長くてデバイス名がほとんど切られてますけど、"Micro..." とあるのがそうです。

この "Micro..." (Microsoft Wedge Mobile Keyboard) を選択すると、iPhone の画面上にペアリング番号が表示されました。

この番号を、Microsoft Wedge Mobile Keyboard で入力して最後に Enter キーを押してあげると、これでペアリング作業は完了です。

 

ペアリングを解除したい場合

ちなみに接続状態を解除したい場合には、先ほどの接続画面の青い矢印ボタンをタップして「このデバイスの登録を解除」を選択します。

 

使い勝手と日本語配列の課題

キーボードの使い心地

キーピッチの都合でなんとなく狭いかなとも思いましたけど、それほど気になるものでもないようで、何より iPhone のメッセージをキーボードで打てることがとても快適だそうでした。

キーボードのデザイン自体を気に入っているのもあって、使うのが楽しい様子です。

 

特に良いと言っていたのが、キーボードにある矢印キーです。

たしかに iPhone で文字位置を移動したい場合って、長押しして虫眼鏡で移動することになりますけど、あの操作はけっこう思うように動いてくれなくて煩わしかったりしますよね。

それが、矢印キーで前後にカーソルを動かせるようになって、そのストレスもなくなったそうです。

懸念していた日本語配列

懸念していた日本語配列が正しく認識されるかについては、懸念していた通り、英語配列のキーボードとして認識されてしまいました。

英語配列のもの()も輸入品として販売されているので、予算が許すならそちらの方が断然いいだろうと思いますけど、iPhone で普段のメッセージを交わす程度なら英語配列でもそれほど不都合は感じないそうです。

 

日本語配列と英語配列との違いは主に記号なので、ローマ字入力する日本語はほとんど影響されないからでしょう。

記号については、よく使う記号を幾つか覚えたり、括弧や "〜" などのメジャーなものは「かっこ」とか「から」と打って変換すれば何とかなるので、そういうものだと割り切ればそれほど問題ではないようでした。

 

英語配列のキーボードで日本語を入力する

最後に、英語配列として認識された Microsoft Wedge Mobile Keyboard で日本語を入力する方法を整理してみたいと思います。

日本語/英語入力の切り替え

入力モードを切り替えるには、旗のマークの「Windows キー」を押しながら「スペースキー」を押します。

そうすると、利用できる入力モードが表示されるので、そのまま「Windows キー」を押しながら「スペースキー」を何回か押して、目的の入力モードを選択します。

漢字変換

入力したひらがなを漢字に変換したい場合は「スペースキー」を押せば、変換候補が表示されます。

変換候補の表示のされ方は iPhone のときと同じなので、パソコンと同じつもりで変換すると最初に少し違和感を覚えますけど、操作性は同じなので直ぐになれます。

 

さらに候補を選ぼうとすると、次のような画面になります。

キーボード入力だと何故か違和感を感じますけど、iPhone で入力している場合はお馴染みの画面です。

ここで表示された変換候補は「スペースキー」でも選択できますし、「カーソルキー」の上下左右でも選択できます。

 

また、変換対象を広げたり狭めたりするのは、「シフトキー」を押しながら「カーソルキー」の左右で行えます。

 

記号を入力する方法

日本語配列のキーボードを英語配列として認識されたときの最大の難点は記号の入力です。

記号の配置はかなり違うので致命的…なように思われるのですが、iPhone でメッセージをやり取りする場合であれば、ある程度のことは日本語変換で何とかなる様子です。

日本語変換で対応できるもの

たとえば "(" や ")" を打ちたいときには、日本語入力モードで「かっこ」と打って変換すれば出てきます。

全角がいいとか半角がいいとか、そういうこだわりはできないですけど、人間とメッセージをやり取りする分にはそれほど問題にはならないでしょう。

他にも "〜" なら「から」と打って変換すると出てきますし、絵文字なんかも「かお」とか「えがお」とか「いかり」とか、「て」「めがね」「すいか」とか、とにかく思うように打ってみるとけっこうでてきます。

普通に打てば出てくる記号

よく使う記号の「!」「?」「。」「、」「/」「−」「%」は英語配列も日本語配列と同じ位置にあるので、幸いこれらはそのまま打てるのが嬉しいです。

覚える必要のありそうな記号

日本語変換で変換できるものは変換したり、そのまま打てば出てくるものを差し引くと、最終的に覚えなければいけなそうな記号はけっこう少なくなりそうです。

たとえば、メールアドレスをやり取りしたりするときに絶対に半角でないといけない「@」とか、時間を伝えたいときに使う「:」とか、それくらいになるでしょうか。

これらはそれぞれ「Shift + 2」「Shift + ;」で入力できるので、この二つのキーを覚えてしまうか、シールでも貼ってしまいましょう。

 

癖をわきまえれば便利に使えそう

日本国内で販売されている Microsoft Wedge Mobile Keyboard は基本的に日本語配列なので、それを iPhone が英語配列として認識してしまう以上、ある程度の癖に付き合う必要はあるものの、それでもかなり便利に使うことができそうです。

Microsoft Wedge Mobile Keyboard の英語配列版も輸入品という形で販売されていたりはするので、英語配列のものを手に入れれば全く心配はないのですが、なかなかの割高感がネックです。

マイクロソフト社が日本でも英語配列を平行して販売してくれたら嬉しい限りなのですけれどね。

 

それでもこれまでお話ししたように日本で販売されているものでも何とかなるので、輸入品の英語配列を高く買うか、日本語配列のものを安く買うかは、好みに合わせて選択する余地は充分ありそうです。

何より使いやすさとデザインの良さは、マイクロソフト社のハードウェアを選びたくなる魅力です。