モバイル PC - MP-XP741 のメモリを増設する

HARDWARE REPORT


Micro DIMM - DM333-256M (注意)

Victor 社のモバイルミニノート PC である InterLink MP-XP741 のメモリを増設してみることにしました。

この PC にはもともと 256MB のメモリが搭載されていて、持ち運んで普通に利用するには問題なさそうな感じですけど、そのまま普通に使った状態でメモリの使用量が 200MB 以上でしたし、何よりメモリを多くしておいた方が仮想メモリが使われる可能性が減るでしょうから、ハードディスクにも優しくなるのではないかと思うのです。

そんなこんなでメモリについて調べてみると、このノート PC に搭載できるメモリは Micro DIMM という小型メモリだということが判りました。スロットが 1 つ空いていて、そこに 256MB か 512MB の DDR SDRAM ( PC2700 = DDR333 ) を簡単に装着することができるとのこと。

ちなみにノート用のメモリは、このモバイル PC 用途を目的とした Micro DIMM の他に、一般的なノート PC 用の S.O.DIMM という 2 つの種類が存在しているとのことでしたので、購入する際は間違えないように注意しましょう。

 

そんなこんなでお店を探ってみると、該当するであろうメモリが見つかりました。

DDR333 の Micro DIMM メモリで、BUFFALO 社の DM333-256M という製品でした。値段次第では最大の 512MB を購入しようかと思ったのですけど、さすがに小型メモリだけあって個人的には高額であったため、256MB のものを買っておくこととなりました。

※ この BUFFALO 社の DM333-256M は、2005/02/14 現在、MP-XP741 とは相性が若干悪いようですのでお勧めできません。

外箱は通常のメモリと同じ大きさでしたけど、開けてみるとびっくり、マッチ箱よりも一回り小さなメモリが、ぷちぷち袋に包まれて無造作に転がっていたのでした。

 

InterLink MP-XP741 へ取り付ける

MP-XP741 の説明書にしたがって、AC アダプタと標準および拡張バッテリーパックをまず本体から取り外します。

今気づいたのですけど、拡張バッテリーパックのさらに本体側に、小さな標準バッテリーが搭載されていました。これはバッテリー寄り中央の付近のネジで止められているので、それもはずしてあげます。

そして背面のネジをはずして丸いふたを取り外すと、Micro DIMM 用のスロットが見えるのでした。スロットのコネクタ部分は Victor のラベルの貼られた左側、右側になんだか黄色いテープが貼られた部分がありますけど、これは特に気にしなくて良いようです。

あとは説明書通りにメモリを差し込んであげれば完了です。

注意することとしては、メモリの基盤の切込みがバッテリー側に向くような方向で差し込むことと、細い線が邪魔なので上手にどかすくらいでしょうか。あとは斜め角度をキープしながら端子の部分が見えなくなるくらいまで差し込んで、手で軽く水平になるように押し込んであげれば完了です。

軽く押し込んでも引っかかる場合は差し込み具合が甘いので、マイナスドライバをてこの原理で押してあげるなどして、端子がしっかりと刺さるようにしましょう。ただこの場合、周囲に傷をつけないように注意しないといけないですけど。

 

増設も終わって、バッテリーやふたを元に戻して、さっそく PC を起動してみました。

「マイコンピュータ」 のプロパティで確認してみると 504MB と表示されていましたし、タスクマネージャでもしっかりとメモリ容量が認識されているようです。以上で無事、メモリの増設作業は成功となると思われたのですが…。

 

スタンバイから復帰できない

メモリを増設してしばらくは何の問題もなく利用していたのですけど、ふとそういえばスタンバイモードからの復帰の際にハングアップしてしまっていることが頻繁に起こっているのが気になりました。時々くらいならば仕方がないとしても、気にしてみると毎回、スタンバイモードに突入すると起動できなくなっていて、電源ボタンを長押しすることで終了するしかなくなっていたのでした。

試してみたところ、"休止" として完全に電源を落としてしまう場合には問題はない様子です。

このところ行ったことといえば、このメモリの増設くらい。そしてそれより前は問題なくスタンバイから復帰していた記憶があるので、真っ先にメモリを疑うこととなったのでした。そして案の定、メモリを取り外してみると、正常にスタンバイモードから復帰することが出来るようになりました。

 

ほぼ相性問題で間違いないなと思いつつインターネットで調べてみると、やはり Inter Link MP-XP741 には公式発表ではないもののメモリの相性問題が存在しているようでした。

情報によると、あくまでも伝聞ながらも、"以前は BUFFALO のメモリもサポートとして載っていたのが、復帰できなくなる問題が発覚して対応待ちになった" とのことでした。

肝心の Victor 社のサイトはというと、少なくとも個人的に調べた限りでは BUFFALO のメモリで不具合が発生するという記載は見つからず、サポートページには "推奨品および動作確認されたメモリー以外のものを使用した場合は、不具合が出る場合があります" と書かれているものの、BUFFALO のメモリで動作しないことを確認しているとは書かれていませんでした。

 

知らないならいいとしてももし伝聞が本当ならば、動作したものだけではなくて動作しなかったものも確認したならば書いておいて欲しいものです。

ともあれ他にも不具合が出るメモリがあるかも知れないので、接続確認機器情報 MP-XP741 増設メモリー接続確認情報一覧 をあてにして増設するのが安全そうです。

ここに載っているのならばスタンバイも問題なく復帰できるとのことですから、自分も買い換えようと思っています。

 

ADTEC ADF2700F-512VC に買い換える

BUFFALO 社の DM333-256M ではスタンバイからの復帰が出来ないという問題があったので、改めて MP-XP741 に対応していると銘打たれたメモリを購入してみることにしました。

インターネットにて調べてみると、ADTEC 社の ADF2700F-512VC という製品が見つかりました。

ADTEC 社自身にもオンラインにて販売されていたのですけど、あいにくこのときは在庫がなかったようですので、他のお店を探してみたところ Amazon.co.jp にて見つかりました。メモリの容量は個人的には 256MB で良いかと思ったのですけど、512MB の製品しか見つからなかったのでそちらにしました。

ただこれも在庫がないようで、発送は長くなってしまうとのこと。結局 1ヶ月近く待った後、ようやく届いたのでした。

 

さっそく取り付けてみます。

取り付け方法については、2度目ともなると戸惑うこともなく、簡単に増設することができました。そして PC を起動してみると、システムのプロパティからも 720MB という表記が見受けられ、正しく認識してくれたようです。

さっそくサスペンドとそれからの復帰も試してみましたけど、これもまったく問題なし。動作も快適でとても良い感じでした。

今までも Microsoft Office 2003 をインストールして利用していたのですけど、これまでは何かと重たく感じたのが、メモリ増設によってすっかり快適になりました。少し作業を始めるだけですぐに 250MB ほどのメモリを使ってしまうようなので、快適に使用するには 256MB でも増設するのがお勧めな感じがしました。