Vine Linux を調整する (失敗編)
TROUBLE REPORT
Vine Linux
以前に EZ-NET: PCG-505V/ABX に Windows と Linux を入れてみる にてインストールした Vine Linux 2.1CR を、FTP 版の Vine Linux 2.6r1 でアップグレードしてみました。
そのとき何かと不具合のような状況に見舞われたので、その辺りの対処を書いてみることにしました。
最終的には X-Window 周りの調整が出来ずに実用レベルにまではもっていけませんでした。USB 周りのサポートとか、PCMCIA まわりとか、結構よさそうだったんですけどね…。
やっぱり FTP 版は難しいです。
LILO 周りの調整
アップグレード時には確かに LILO をインストールしたような気がしたのですけど、インストールが終わってみると、/etc/lilo.conf が以前のまま、旧カーネルが削除されてしまっていました。
なので、Slackware 8.1 の LILO から Vine を起動して、次のように調整しました。
image=/boot/vmlinuz-2.4.19-0vl11
label=linux.2.4
read-only
root=/dev/hda3
image=/boot/vmlinuz-2.2.20-0vl10
label=linux.2.2
read-only
root=/dev/hda3
なお、Vine Linux 2.6r1 を Kernel 2.4.19-0vl11 で起動する場合、今まで PCGA-CD5 (CD-ROM) を認識させるために使用していた append="ide2=0x180,0x386" という行がいらなくなるようです。
ちゃんと PCMCIA の CD-ROM ドライブとして、起動時に認識するようです。
ただ、どうも何かと衝突するのか、CD-ROM ドライブを接続した状態で起動すると、Wnn6 辺りの起動付近でハングアップしてしまうようです。
起動後に Wnn6 を止めて PCMCIA カードを接続してもハングアップしてしまうようなので、Wnn6 が原因というわけではなさそうでした。
Wnn6 のインストール
Vine Linux 2.1CR は Wnn6 がそのままではインストールできない不具合があるようです。
今回はまだ 2.1CR に付属の Wnn6 をインストールしていなかったので、それを行ってみることにしました。
Wnn6 をインストールするにあたって、必要なアカウントを作成します。
useradd -M -u 127 wnn -g wnn -c "Wnn System Account"
あとは普通に Vine Linux 2.1CR の CD-ROM のなか、/Vine/RPMS/ にある RPM パッケージ wnn-6-3.01-1vl20.i386.rpm をインストールします。
rpm -ivh wnn-6-3.01-1vl20.i386.rpm
あとは必要なサービスの起動です。
cd /etc/rc.d/init.d/
./dpkeyserv restart
./jserver start
LAN の調整
とりあえずインターネットに接続できるように、corega 社の FEther PCC-TXD という PCMCIA 接続の LAN アダプタをインストールします。
普通に Vine Linux 2.6r1 (Kernel 2.4.19-0vl11) を起動して PCC-TXD をさすだけで、必要なモジュール pcnet_cs が読み込まれるようです。
あとはネットワーク周りの設定です。
とりあえず /etc/sysconfig/network を編集して、コンピュータ名をつけて…。次のコマンドを入力してインターフェイスの登録を行います。
netconfig
ここで DHCP によるネットワーク設定をしたら、次のように命令して eth0 を有効にします。
/etc/sysconfig/network-scripts/ifup eth0
これで eth0 が有効になってインターネットに接続できるようになりました。
コンソールの調整
たいしたことをするわけではないのですけど、作業中にブランクスクリーンになるのは何かと都合が悪いのでその辺りを調整してみます。
とりあえず、Vine Linux の場合は日本語表示が多いので、kon での作業を想定してます。
/etc/kon.cfg の次のような該当部分を修正します。
# Screen blank time (minutes).
SaveTime:
0
値として 0 を指定して kon を起動しなおすと、ブランクスクリーンへ移行しなくなります。
ACPI まわりの調整
今回インストールした PCG-505V/ABX は ACPI をサポートしていないので、Vine Linux 2.6r1 (Kernel 2.4.19-0vl11) を起動すると ACPI 関連のエラーメッセージが表示されてしまいます。
これを防止するために、/etc/lilo.conf を調整します。
append="acpi=off apm=on"
あとは LILO を更新すれば、電源管理として、ACPI は無効になって、代わりに APM が有効になるようです。
カーネルのアップデート
Kernel 2.4.19-0vl11 には ACPI まわりのバグがあるということなので、FTP サイトより新しいカーネル Kernel 2.4.19-0vl22 を取得してみました。
今回は ftp://ring.asahi-net.or.jp/pub/linux/Vine/Vine-2.6/updates/RPMS/i386/ より、kernel-2.4.19-0vl22.i586.rpm をダウンロードさせていただきました。
これをインストールします。
rpm -Uvh kernel-2.4.19.0vl22.i586.rpm
そうしたら /etc/lilo.conf の "image=/boot/vmlinuz-2.4.19-0vl11" の部分を "image=/boot/vmlinuz-2.4.19-0vl22" に書き換えて、LILO を更新します。
この操作を行ったところ、PCGA-CD5 (CD-ROM) を接続してもハングアップしなくなりました。
X-Window の復旧は失敗…
Vine Linux 2.6 へアップグレードしてから、startx としても次のようなエラーメッセージが表示されてしまうようになりました。
/etc/X11/X: error while loading shared libraries: libfont.so.1: cannot open shared object file: No such file or directory
giving up.
ハードディスク内を探してみたところ、/usr/X11R6/lib/ ディレクトリに libfont.so というファイルがありましたが、ファイル名も若干違うながら、シンボリックリンクが切れていました。
Slackware 8.1 のディスクを調べてみたところ、こちらも libfont.so.1 というファイルはないようなので、もしかするとバージョンアップにともなって不要になったファイルなのかもしれません。
とりあえず、Vine Linux 2.1CR に入っている XFree86 系の RPM をなにも考慮しないでインストールしなおしてみることにします。
rpm -Uvh --nodeps --oldpackage --force XFree86-*.rpm
すると設定も元に戻ったのか、startx で設定が合わないようなエラーが現れました。設定をしなおす場合には次のコマンドを利用します。
Xconfigurator
…、が設定時にセグメンテーション違反で落ちてしまいます。
ので、今度は XFree86 の 4.2.1-0vl9 系の RPM をひとつのディレクトリにまとめ、再び一括して強制インストールしてみました。
その際、念のため libfont 系ファイルをバックアップしておきます。
tar cvzf libfont.tar.gz /usr/X11R6/lib/libfont.*
rpm -Uvh --nodeps --force XFree86-*.rpm
けれどやっぱりエラー…。
仕方ないのでかなり強引に XFree86 系のパッケージをすべて削除します。
rpm -e --nodeps `rpm -qa | grep XFree86`
すると当然のように startx さえも見つからなくなります。
そして、
rpm -ivh XFree86-libs-3.3.6-13vl14.i386.rpm
rpm -ivh XFree86-xfs-3.3.6-13vl14.i386.rpm
rpm -ivh XFree86-3.3.6-13vl14.i386.rpm
rpm -ivh XFree86-ISO8859-*.noarch.rpm
rpm -ivh XFree86-*dpi-fonts-3.3.6-13vl14.rpm
rpm -ivh XFree86-SVGA-3.3.6-13vl14.i386.rpm
rpm -ivh XFree86-cyrillic-fonts-3.3.6-13vl14.i386.rpm
mv /usr/X11R6/lib/X11/fonts/cyrillic/fonts.dir /usr/X11R6/lib/X11/fonts/cyrillic/fonts.dir.old
mv /usr/X11R6/lib/X11/fonts/cyrillic/fonts.dir.rpmnew /usr/X11R6/lib/X11/fonts/cyrillic/fonts.dir
rpm -ivh XFree86-doc-3.3.6-13vl14.i386.rpm
rpm -ivh XFree86-Xnest-3.3.6-13vl14.i386.rpm
rpm -ivh XFree86-Xvfb-3.3.6-13vl14.i386.rpm
rpm -ivh XFree86-jpfonts-2.1-9.noarch.rpm
rpm -ivh XFree86-devel-3.3.6-13vl14.i386.rpm
rpm -ivh XFree86-XF86Setup-3.3.6-13vl14.i386.rpm
rpm -ivh Xconfigurator-4.3.5-0vl7.i386.rpm
rpm -ivh X11R6-contrib-3.3.2-11.i386.rpm
…、が、復活せず…。
いまいち RPM の使い勝手とかが分っていないからなのかもしれないですけど、X-Window って難しいですね…。もはや今の自分の力量では打つ手なくです。残念…。