破損ディスクとの格闘記 (失敗編)
TROUBLE REPORT
故障したハードディスク
話はおよそ3年前にさかのぼります。3年前の夏、はじめて Windows 機なる DOS/V マシンを購入しました。DELL コンピュータ の DIMENSION XPS H266 という、当時としては先駆けの Intel Pentium II 266MHz が載ったコンピュータです。
今回のお話のテーマになるのが、そのとき一番初めに搭載されていた、容量 2 GB の E-IDE ハードディスクです。
そのハードディスクが1年ほどたったある日、非常にアクセス速度が遅くなってしまいました。いわゆる寿命のようです。
まだ DOS/V 機やハードディスクの経験が薄かった当時はなにがおかしいのかを特定できず、ウィルスチェックをしてみたり、スキャンディスクをしてみたり。そして、デフラグをかけてしまったころでしょうか、そのディスクが致命傷をおったのは・・・。
その後、SYMANTEC. の Norton Utilities を購入しましたが、時すでに遅し。ブートセクタまでもがやられてしまっていて、ご臨終となりました。
さて、そんなディスクを今ごろになって引っ張り出してまいりました。
なぜなら、大切なデータがあるかもしれないからです。つい最近、大学時代に作成した文書を探していたところ、一部が存在していないことに気づきました。
ディスクは、サーバで一括管理をしているため、紛失するとすると、DOS/V を使用し始めて間もないころのディスクに閉じ込められているのではないか、という推測からです。
しかしながら、もう既に時おそしのハードディスク。認識こそするものの、Windows に搭載されているスキャンディスクでは、スキャンを開始することすらできません。
そこで、ふたたび SYMANTEC. の Norton Utilities 2001 を購入して再挑戦することにしました。
Norton Disk Doctor の起動
Windows 95 セットアップディスクをつかって、DOS モードの Windows 95 を起動しました。そして、Norton Utilities 2001 の CD-ROM の中身を見てみると、NU ディレクトリ内に、NDD.EXE という、Norton Disk Doctor を思わせるプログラムファイルがありました。
NDD と入力して [ENTER] キーを押すと
Invalid media type reading drive C
Abort, Retry, Fail?
と画面に表示されてしまいます。ここで、F を押して、失敗させると、なにやら画面がめちゃめちゃになってしまいました。
しかしながら [ESC] を押してみると、プロンプトの表示に戻りましたので、どうやらディスプレイに表示するのを失敗しているようです。
こういうように、MS-DOS プログラムで画面表示が乱れる場合、日本語表示用になってしまっているのが原因だったりします。
そこで、以前に作成した CD-ROM を認識する MS-DOS 起動ディスク を使って再び挑戦してみることにします。これならば日本語を表示するためのプログラムが起動時に読み込まれませんので、うまく表示されるかもしれません。
実際、この起動ディスクを使用して起動した MS-DOS から Norton Disk Doctor を起動してみると、正常に画面に文字が表示されました。
ディスクをチェックする
Norton Disk Doctor を起動すると
- Diagnose Disk
- Surface Test
- Undo Changes
- Options
- Quit Disk Doctor
という項目が表示されました。とりあえずはまず、”Diagnose Disk” でディスクのチェックをしてみることにします。しかしながら、
Norton Disk doctor doesn't recognize the drive type on hard disk 1.
というメッセージが表示されました。どうやらドライブの種類を認識できなかったようです。たくさん表示されているメッセージを細かく見ていくと、
If you are ABSOLUTELY sure that your drive type is correct, you can skip future CMOS test by selecting 'Options' and 'General Options'
という記述を発見。いろいろ調べてみたり、BIOS 設定をいじってみたりしましたがうまくいかなかったので、CMOS チェックをはずしてみようと思います。
ABSOLUTELY がやたらと強調されているところがちょっと心配ですが、まあ3年前は正常に動いていたんだし・・・、などと強引に理由付けしてやってみます。
”Options” の ”General” を選択して、”Skip CMOS Tests” を選択して、ふたたび ”Diagnose Disk” を選択します。
Error on hard disk 1
Invalid signature in Partition Table
さっそくエラーのようです。根本的にディスクにアクセスできない状態なので、もしかするとこれを修正すれば、多少は改善するかも・・・、ということで、修正してみることにします。
”Yes” を選択して次へ進みます。
すると、Create Undo Disk というタイトルのついたダイアログが表示されました。見当違いで余計にディスク破損を悪化させるとこまるので、ここは Undo Disk を作っておくことにします。
フロッピーディスクドライブへ初期化済みのフロッピーディスクを入れて、”Create Undo File” をクリックすると、続いてどのドライブへデータを書き込むかをたずねられますので、適切なドライブを選択します。
Error on hard disk 1
Master partition program is invalid
次のエラーです。マスターパーティションにある、起動に関係するプログラムに障害が発生しているようです。ディスクの中身さえ読めればそれでいいのですが、これも念のため修正しておくことにしましょうか。
”Yes” を選択して次へ進みます。
今度は Partition Analysis という名前のダイアログが現れました。どうやらディスク内のパーティションにアクセスすることができないようです。
”NO” を選択すればそのまま次へ進み、”YES” を選択すれば、パーティションを検索してくれるそうなので、ここは ”YES” を選択して次へ進んでみることにします。
There are no DOS partitions on hard disk 1
DOS パーティションは見つかりませんでした。確かに Windows 95 で使用していたディスクのはずなので、DOS パーティションがあるはずなのですが・・・。
ということで、Norton Disk Doctor にパーティションを探してもらって、パーティションテーブルを再構築してもらうことにします。よって、”YES” を押して次へ進みました。
しばらくディスクのスキャンが行われて出た結果。
No DOS partitions on hard disk 1 could be found.
どうやら、パーティション情報は復元できなかったようですね。
Partition information has been changed !
パーティション情報が変更されたので、再起動しなくてはならないそうです。”Restart” ボタンを押して、コンピュータを再起動することにします。
再起動後、ふたたび Norton Disk Doctor を起動して、CMOS チェックをはずしてディスクチェックを再開します。
再び同じエラーがレポートされます。とりあえず修正して次へ進みます。そしてまた、DOS パーティションが見つからないというところまで着ました。今回もとりあえず、スキャンを依頼します。
するとまた、再起動を要求されてしまいました。いろいろやってみたところ、どうやら修復を行ってしまうと再起動を迫られるようです。
とりあえず、修復せずに先へすすんでみると、チェックするディスクを選択する画面にまでたどり着きました。
C: 6.07M 2nd Hard Disk
という記述がすこし気になりますが、これを [Spcace] キーで選択して、スキャンを開始しました。
Error on Drive C
Boot Record program is invalid
ブートパーティションがやられているということなので、とりあえず修復をかけてみることにします。しかしながら、待てども待てども 0% という進行状況です。ということで、いったん再起動することにしました。
上のエラーを飛ばすと、
Error on Drive C
Invalid Disk Table in Boot Record
というエラーが発生しました。なんだかこれを修復してしまうとすべてが終わってしまいそうな気がしましたが、とりあえず修復。
が、やはり停止してしまいました。ブートパーティション系は、今回それほど重要でないこともあるので、あきらめることにしますか。
Error on Drive C
Media descriptor byte is invalid
上記2つのエラーを無視すると、FAT ( File Allocation Table ) のチェックへと移行しました。そこでさっそくエラーが発生です。
メディアディスクリプタ・・・、メディアの情報でも記録されたところなのでしょうか。とりあえず、重要そうなので修復をかけてみます。
Lost Clusters found
There are 2 lost clusters in 2 chains
チェックが不自然なほど順調にすすんだあとで、2つのクラスタが実際は使用されていないということがレポートされました。とりあえず ”Continue” で続行します。
その後、修復するかをたずねられたので、”YES” を選択して修復しました。修復後のデータの扱いについては、念のため消さずにとっておくように ”Save” を選んでみました。
これで修復手続きは完了したようです・・・。
たしかに、C: がエラーなしで表示はされるのですけど、怪しい感じ。やはり容量が 6MB 程度に切り詰められてしまった様子です。
その後、もういちど再起動してみると、また C: がエラーを出してしまったり・・・。
編集後記
これはやはり修復不能ということなのでしょうか・・・。
とりあえず、3年前もいろいろと手を施したけれど、どんどんと悪化していった記憶があります。たしかまだ認識できたころも、毎日のように不良セクタが発生していって、1MB くらいまでに達していたはずです。
初期化をするにも、2GB が平気で6時間ぐらい必要としてしまうディスクなので、もう直らないでしょうね・・・。
まあ、データはそれほど重要なものはなく、必要だったものは印刷物として残っていたのでよかったです。再びデジタル文書にするのが面倒ですけど・・・。